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Read moreSWOT分析のやり方を解説!マーケティングに役立てよう
目次
SWOT分析はマーケティングの戦略や計画を立てるときに有用な分析方法としてよく着目されています。
正確な分析をすることで合理的な戦略を考案し、周到な計画を立ててマーケティング施策を推進できるようになるでしょう。
この記事ではマーケティングを考える上での基本として重要なSWOT分析のやり方を端的に解説します。
分析手法としてのメリット・デメリットも紹介するので、今後の戦略・計画の立案に有効活用してください。
SWOT分析とは
出典:https://www.shutterstock.com
SWOT分析とは自社の内部環境と外部環境をプラス要因とマイナス要因に分けてマトリックスによって分析する方法です。
全体像を把握して状況に応じた臨機応変なマーケティング戦略を考えられるようにするための基本的な分析方法として用いられています。
SWOT分析では自社と自社を取り巻く環境についての情報に基づいて、以下の4つの要素に分けて分析するのが特徴です。
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)
SWOT分析をすると自社の内部環境・外部環境についてポジティブ・ネガティブの両方の側面から客観的な理解を得られます。
ビジネスチャンスを見出せない、競合他社との差別化戦略で困っている、ターゲットの属性がわからないといった課題を解決するのに効果的な分析方法です。
また、将来的な市場・競合の変化に伴い、事業戦略やマーケティング戦略を変えていきたいと考えたときにはSWOT分析によって戦略変更の重要な根拠を得られます。
SWOT分析をする目的
SWOT分析は現状の把握にも将来の変化への対応にも活用できるフレームワークです。
強み・弱み・機会・脅威をそれぞれ考える際には目的が重要になります。
自社の何を明らかにするためにSWOT分析をするのかをはっきりさせることで、それぞれの項目にどんな情報が必要なのか、収集した情報をどのような方向性で分析すべきなのかがわかります。
大局的には企業目標の策定や事業戦略の考案がSWOT分析の目的として挙げられています。
マーケティングでは組織全体としてのマーケティングの基本方針の立案、現状のマーケティング施策の評価、個別のマーケターの目標設定などを目的とすることが可能です。
また、単純な現状の分析にも、将来の脅威への対策を立てるのにも活用できます。
具体的な目的を立てることでSWOT分析をスムーズにおこなえるので、情報収集を開始する前に目的を明確化しましょう。
SWAT分析のポイント
目的を明確にする
まずは、何のためにSWOT分析を行うのか、その目的をハッキリさせましょう。
目標は、具体的で誰もが見て分かるような明確なものにします。
そもそも目標がなければ、何のために分析をするのかも見えてきません。
また、分析の内容にも影響してきます。
事前に話し合いの場をもち、参加する人それぞれが同じ目標を認識できるようにしておくことが重要です。
前提条件を整理し共有する
議論に参加するメンバーは、同じ前提条件のもと話し合いができるように共有しておく必要があります。
例えば、対象範囲をどこまでにするのか、ターゲットとなる顧客の属性を何にするのかなどです。
こうした前提条件を整理し、メンバーそれぞれが共有することで同じ方向に向かって議論を進めていくことができます。
様々な視点を持つための分析メンバーを選ぶ
議論に参加するメンバーは、できるだけバックラウンドの異なる人を集めることをおすすめします。
性別、年代、所属など、多様性があるほど多角的な意見が期待できます。
立場が異なれば、それだけ見ている視点も違い、より深みのある議論ができるでしょう。
SWOT分析|4つの要素
SWOT分析は4項目を個別に分析して要因をリストアップするのが基本的な手順です。
SWOT分析の機会・脅威・強み・弱みの4要素についてどのような分析をするのかを見ていきましょう。
機会(外部環境分析)
機会とは目的の達成にとってプラスの要因になる外部環境です。
機会の分析は自社の外側に目を向ける外部環境分析で、以下で紹介する脅威の分析と並行して実施すると効率的でしょう。
市場調査や顧客動向調査などに加えて、自社が置かれている環境の分析としてPEST分析がよく用いられています。
PEST分析とは自社に関連する政治・経済・社会・技術による分析のフレームワークです。
政治的決定によって業界の推進が決定されると市場拡大の機会を得られるでしょう。
景気が良くなっている途上国市場を発見することで海外展開の可能性を切り開くことができます。
消費者動向の変化によって今までとは違う年齢層をターゲットにできるようになる場合もあるでしょう。
新しい技術の登場により、他社との共同開発の可能性が導き出されることもあります。
PEST分析はマクロ環境分析の一つで、自社で制御が難しい要素の分析をするのが特徴です。
PEST分析と併せて競合や顧客などのミクロ環境分析も実施して、自社にとってのチャンスを探すことが重要になります。
自社に間接的に様々な方向性から関与を受けることになるのが特徴です。
顧客(市場)と競合がミクロ環境分析の対象とされている代表的な要素です。
脅威(外部環境分析)
脅威とは目的を達成しようとしたときに障害になるリスクがあるマイナス要因の外部環境です。
PEST分析を通して市場に法的規制が設けられたり、自社がシェアを持っている国の景気が低迷したり、競合となる技術が生まれたりすると脅威になります。
脅威の分析ではPEST分析と併せて、ファイブフォース分析がよく活用されています。
ファイブフォース分析とは以下の5つの観点から自社にとっての脅威を分析するフレームワークです。
・新規参入
・代替品
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力
ファイブフォース分析は自社の利益に影響を及ぼす5つの脅威に着目するのが特徴です。
競合他社とは常に競争がありますが、新規参入や代替品の登場によってそのバランスが大きく変わります。
また、仕入れ価格や販売価格に大きな影響がある買い手・売り手の数や力関係などによって交渉力が変わることもあります。
このような着眼点で外部環境分析を実施し、目的の達成にマイナス効果がある要因を突き止めることが可能です。
強み(内部環境分析)
強みとは目的を達成する上でプラスの効果があると期待される内部環境です。
弱みと同時に分析を進めるのが一般的で、社内の情報を調査することで強みがわかります。
強みはマーケティングを進める上で重要な要素で、文言として明示してユーザーにアプローチすることもよくあります。
できるだけ多くの強みを見出すことで、具体的なマーケティング施策の考案も容易になるでしょう。
代表的な分析項目は以下の通りです。
・ブランド力、知名度、認知度
・インフラ、資源、立地
・技術力、サービス力、営業力
・顧客数、特許、ノウハウ
弱み(内部環境分析)
弱みとは目的達成に向けて解決しなければ障害になる内部環境です。
弱みも強みと同じようにリソースやブランド力などの項目にしてリストアップしていくことで分析できます。
強みにできない部分は弱みと考えられますが、客観的に弱みと明確にできるかどうかも根拠に基づいて検討するのが大切です。
明らかな弱点であれば目的の達成のために補強をしなければなりませんが、他社に比べて劣っていないなら強みを生かす方が重要になる場合もあります。
SWOT分析の方法
1.外部環境分析を行う
SWOT分析は、内部環境分析よりも先に外部環境分析を行うのが一般的です。
なぜなら、内部環境が外部環境に影響されることが多々あるからです。自社ではコントロールができないさまざまな環境要因についての分析を行います。
代表的な分析手法としては、PEST分析や業界環境分析、競争環境分析、市場分析などがあります。
これらの手法を用いて、外部環境が自社にとってチャンスになるポイントと、リスクになるポイントを分けて整理するのが、外部環境分析です。
ここでは、よく用いられるPEST分析について見てみましょう。
PEST分析は、「政治的要因」「環境的要因」「社会的要因」「技術的要因」の4つの要因が環境にどう影響するのかを考えるフレームワークです。
・経済的要因…景気、金融政策など
・社会的要因…人口動態、文化、ライフスタイルなど
・技術的要因…技術や産業の発展による影響など
これらに加え、法的な要因や環境的要因を加えた「SPELIT分析」も、現代ではよく用いられます。
PEST分析では、まず4つの要因ごとに思い付くままに記入した付箋を貼っていきます。
裏付けのある事実と、個人の意見や感想を色で分け、それぞれの要因に対して手分けをして調査します。
確実性や情報源の確認、統計データなどを参考にして、集めた情報を詳細にしていく必要があります。
そして、その結果をもとに影響が大きいと考えるものとそうでないものを考え、順番にして整理します。
議論は影響の大きいものを中心にしてすすめ、分析結果をまとめます。
2. 内部環境分析を行う
内部環境分析では、自社でコントロール可能な「強み」と「弱み」に焦点をあてて分析していきます。
ここで大事なのは、主観ではなく客観で行うこと。数値やデータを用いながら整理するとより正確です。
そして、競合他社との比較によって分析することが重要なポイントとなります。
内部環境分析でよくあげられる項目の例としては、認知力、ブランド力、価格、品質、資源、サービス、立地、技術力などです。
3. クロスSWAT分析を行い戦略に落とし込む
SWOT分析では個々の要素について分析をした上で、掛け合わせをして詳細な分析を実施するのが重要なポイントです。
掛け合わせによるクロス分析が合理的で効果の上がる戦略立案につながるので、どのような分析方法なのかを理解しておきましょう。
強み × 機会
強みと機会を照らし合わせることで目的を達成するための近道を見出せます。
今まさに到来しているチャンスを生かして、自社の強みを最大限に発揮できるのは成長に直結します。
高い目標数値を立てて大きなリソースを割いて推進する戦略を立てることも、最小限のリソースで目的を速やかに達成することも可能です。
利益を得られる可能性も高いため、次の戦略を早い段階で立てやすくなります。
強み × 脅威
強みと脅威を掛け合わせて分析すると、今後に発生し得る目的達成の障害を退ける方法を考えられます。
競合他社や新規参入などの脅威に対して、自社の強みを生かして対抗できるのは理想的です。
売上の低迷や集客力の低下などの問題が発生する前に打開策を進める戦略を立てられます。
弱み × 機会
弱みと機会の分析をすると、できる限り速やかに解消すべき弱点が明確化されます。
目の前に訪れているビジネスの機会を生かすのに障害になる弱みは解消しなければチャンスを失うことになるからです。
SWOT分析をしていれば弱みが具体化されているため、解消のために必要な投資や施策も速やかに決定できるでしょう。
弱み × 脅威
弱みと脅威の掛け合わせをすることで、目的達成に向けた大きなリスクの影響を最小限にするために何が必要なのかを検討できます。
場合によっては事業の整理をする機会にもできます。
自社が苦手とする分野を切り離すことで、強みにできる分野に特化する戦略を立てたり、強みを生かせる分野に進出するのに必要なリソースを確保したりすることができるからです。
SWOT分析のメリット・デメリット
メリット
SWOT分析は内部環境と外部環境をそれぞれ目的と照らし合わせてポジティブな面、ネガティブな面に分類し、客観的に全体環境を把握できるのがメリットです。
個々の要素について掘り下げ、掛け合わせを考えていくことで自社も環境も詳しく理解できます。
戦略会議の際にも焦点を置いて深い議論ができるため、妙案が生み出される可能性が高まります。
意思の統一にもつながり、一致団結して戦略を推進できるでしょう。
デメリット
SWOT分析を実際にやってみると、収集した情報がどの要素に分類されるかを決められずに悩みがちです。
自社の新しい技術が強みなのか弱みなのか、政治決定が機会を生むのか脅威になるのかを客観的に判断するのは容易ではないでしょう。
期待の技術だったのに市場の動向が急激に変化して売れないこともあります。
政治による規制が敷かれて市場が縮小したものの、競合他社が撤退したためにシェアが拡大する可能性もあります。
このように各要素への分類が解釈によって変わり、戦略の有効性を大きく左右するのがSWOT分析の問題点です。
十分な情報量に基づいて分析できないと、誤った戦略を立案することになるリスクがあります。
まとめ
出典:https://www.shutterstock.com
SWOT分析は自社の内部環境と外部環境をプラス面とマイナス面の両方から客観的に把握し、強み・弱み・機会・脅威という4つの要素の相互分析を通して戦略を考えるのが特徴です。
自社の置かれている環境の中で、何を強みとして市場拡大を進め、何を弱みと捉えて解決策を練らなければならないかを理解しやすいフレームワークです。
SWOT分析を的確におこなうにはノウハウが重要になります。
PEST分析やファイブフォース分析などの他のマーケティングフレームワークも並行して活用することで、SWOT分析の効果が上がります。
SWOT分析で今後のマーケティング戦略・計画の立案に有効活用してくださいね。
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