LP改善にABテストは必須!必要性とやり方について

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LP(ランディングページ)に対して、「手間がかかるから見直せていない」「どう改善すればいいのか分からない」などのお悩みを持つ方は多いはずです。LPにおける改善法はいくつかありますが、中でも「ABテスト」の実施は欠かせません。本記事では、LPの改善にABテストが必要な理由やABテストの手順などについて詳しく解説していきます。

 LP(ランディングページ)のABテストをする理由

出典:https://www.shutterstock.com

 

LPは常に効果の分析と改善を続けていかなければ、サイトの高い成果を持続させることはできません。LPにおける改善方法はさまざまなものが挙げられますが、特におすすめしたい手法は「ABテスト」です。

 

ABテストとは、LP内コンテンツの改善案を2パターンに分けて同時に試しながら、どちらが効果的であるかを分析する方法のことです。

 

同じ時間軸の中で異なる2つのコンテンツの優劣を判定するABテストは、季節や時間といった外的な影響を受けることがありません。そのため、両パターンの純粋な効果を評価することができます。

 

LP(ランディングページ)ABテストのメリット

LPでABテストをするメリットについて、3つのポイントから解説します。

 

ページの評価がしやすい

ABテストは、異なる2つのページを同じ期間に運用することで評価します。同じ条件でテストを実施することで、外部の要因に左右されず、 より実態に近いデータを得ることが可能です。

 

テストの実施後は、コンバージョン率という明確な指標に基づき、どちらのページを表示させれば成果が上がりやすいのか判断します。このように、ABテストには2つのページを相対的に比較することで、今後の施策に活かしやすいメリットがあります。

 

新たなアイデアや発見を得られる

ABテストを実施することで、2つのページのうち、どちらがユーザーから好まれるのか検証できます。掲載する文言や画像・全体の色味といったテーマを設定してテストを行うことで、LPに関するさまざまな改善点やアイデアを得られるでしょう。

 

ABテストを継続的に行うと、ユーザーのニーズへの理解が深まる可能性もあります。テストによって得た知見を商品開発に活かすなど、ビジネスに関する思わぬヒントが得られるかもしれません。

 

LPの効果を維持できる

LPは一度制作すれば終わりということではなく、その後もユーザーの反応を見ながら改善していくことが求められます。もし制作した時のまま放置すれば、新たな競合の出現や、競合の成長といった要因で、自社のLPは力を失います。コンバージョン率は次第に低下し、十分なパフォーマンスが発揮できなくなるでしょう。

 

しかし、定期的にABテストを実施し、必要に応じて改善すれば、LPの効果を維持することができます。場合によっては、制作から1年以上経過したLPのコンバージョン率を維持することも可能です。

 

LP(ランディングページ)ABテストの期間は?

ABテストを実施する期間に明確な決まりはありませんが、数週間から1ヶ月程度の期間で設定することが一般的です。平日と休日どちらも含むように、最低でも1週間以上の期間を設けるなど、結果に偏りが出さないことを意識して設定しましょう。

 

一度テストを実施してみて、AとBの差があまり出ないようであれば、1回目よりも長めにテスト期間を取るといった調整をすることもできます。反対に、結果に明確な差が現れた場合には、早めにテストを終了して次のテストを実施するといったやり方も可能です。テストの状況や自身の分析に基づいて、より効果的と思われる期間を設定しましょう。

 

LP(ランディングページ)ABテストの注意点

ABテストを行うにあたって、以下の点に注意が必要です。

 

比較パターンを同じ期間中に並走させる

 

比較するパターンを異なる期間に検証すると、社会の情勢や季節といった外的要因に影響を受けたり、異なるユーザー層が流入してくるため正確な検証結果を得ることができません。まったく同じ状況下で比較しなければ意味がないため、開始から終了まで同期間の中でパターンを並走させましょう。

 

検証する要素は1つずつに絞る

 

ABテスト中は複数の要素を比較したくなりますが、比較する要素は必ず「1つだけ」に絞りましょう。2つ以上の要素を比較すると、検証結果に影響した箇所が分かりにくくなるからです。コンバージョンに影響が大きいと思われる要素から、順番に検証を進めていくことをおすすめします。

 

インプレッション回数の母数は多く定める

 

ABテストをするにあたってインプレッション回数の母数を定める必要がありますが、母数が少ないと検証数値としての信頼性が低くなります。そのため2週間~1ヵ月程度を目安に検証期間を決めて、十分な量のデータを確保できるようにしましょう。

 

ABテストが「目的」ではないことを意識する

 

ABテストはあくまでLPを改善するという目的があってこその「手段」ですが、「ABテストを実施することそのものが目的」となってしまうケースも多いです。LPに限らず、目的を見失ったままABテストをしても得られるものはないことを理解しておきましょう。

 

LP(ランディングページ)のABテストで改善する順番と箇所

 

LPの改善でABテストを行う場合、まずはファーストビュー、次にアクションボタン周辺の改善から取り掛かります。それぞれどの箇所を改善するべきなのか、以下より具体的に解説します。

 

メイン画像(ファーストビュー)

 

LPにおいてメイン画像は、ユーザーが留まるか離脱するかの決め手となる要素と言っても過言ではありません。LPを最後まで読み込んでもらうには、まずファーストビューのメイン画像でユーザーの興味関心を惹きつけることが重要です。

 

メイン画像の素材としては自社の商材や人物、イメージ画像など様々なものがありますが、例えば商材の場合は異なるカラーの2パターンを比較するなどの方法があります。比較したカラーのうちユーザーからの反響が大きかった方を選び、次は同じカラーで商材を異なる角度で撮影した写真を用意して比較する…といった形で、「勝ちパターン」の画像を選び続けていきましょう。

 

メインコピー(ファーストビュー)

 

LPのユーザー層を分析して、そのユーザー層に対して商材がアピールできるポイントをメインコピーとして反映させることも大切です。化粧品や洋服など、同じカテゴリに分類されるアイテムであっても年齢や性別によってアピールポイントは異なります。

 

分析から見えてきたユーザー層を元にペルソナを設定し、そのペルソナの心理に刺さる文言を盛り込んでいきましょう。キーワードや文章など異なるパターンのメインコピーを考案してABテストを行い、反響が大きかった方を選びます。

 

アクションボタン(CTAボタン)

 

アクションボタンを改善するABテストの場合、主に以下のような要素が比較の対象となります。

  • ボタンの大きさ
  • ボタンの色
  • ボタンの配置(導線)
  • ボタンを押したくなるコピーの考案

中でもアクションボタンを「押したくなるコピー」は、コンバージョンのハードルを下げることに繋がります。例えば「登録」から「無料登録」に変えて気軽に押せるようにしたり、「ここをクリック」から「すぐに購入する」に変えてボタンを押したらどうなるのかを明確に示したりしましょう。

 

ファーストビュー後の導入

 

ファーストビューでユーザーの興味関心を惹きつけるだけでなく、直下に配置する導入も工夫してユーザーの離脱を防ぐ必要があります。

 

具体的には顧客からの高評価を紹介する「お客様の声」や、売上数・顧客満足度などのランキング実績、メディアでの掲載実績などの配置が有効的です。導入にこのような実績を掲載することでユーザーに信頼性を感じさせられるため、その後の商材情報を素直な思考で読み進めてもらうための基盤となります。

 

フォーム

 

ユーザーを問い合わせフォームまで誘導できても、フォームの使いづらさにアクションを諦めて離脱してしまうケースは珍しくありません。入力事項が多かったり、フォームのつくりが複雑だとユーザーは「面倒くさい…」と感じてすぐに離脱します。そのため、問い合わせフォームの簡略化は非常に重要なポイントです。

 

例えば入力事項をすべて埋めてから確定ボタンを押すとエラー表示が出るといった仕様ではなく、各入力欄に吹き出しコメントを付けて「半角で入力」「空白を入れないでください」といった注意書きをしておくといった改善方法がおすすめです。また、住所が必要な場合は郵便番号を入れるだけで住所を検索できる機能を設置しても良いでしょう。このようにユーザーの手間を減らすことを意識した案でABテストにかけて改善すれば、問い合わせ数が大幅に増える可能性があります。

 

 

LP(ランディングページ)ABテストのやり方


出典:https://www.shutterstock.com

 

LPはPDCAサイクル『Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(実行)』の4つの手順を繰り返し、改善していきます。

LPにおけるABテストは、基本的に以下の手順で行います。

 

 ①ページ全体の中にある改善点を特定

ファーストビューからフッターまでの全体を見て、改善するべきポイントを特定します。

Googleアナリティクスやヒートマップツールを使った使用したり、競合ページと見比べたりしながら改善点を探していきましょう。

 

その際、「ファーストビュー」や「アクションボタン」は優先的に改善するよう意識しましょう。ボディ・コピーといった中間部分の情報コンテンツの改善はその後に回しても問題ありません。

 

 ②変更案を作成

LPの改善点を見つけたら、「○○をこのように変えれば成果が出る」と仮説を立てたうえで新たな変更案を考えます。写真・キャッチコピー・配色・構成などの要素から1つずつ変更・検証をするようにしましょう。1度に複数の要素を変更して検証を行うと、その結果がどの要素に影響されて出たものなのか分からなくなるためです。

 

 ③ABテストを実施

作成した変更案を実際に用いて、ABテストを行います。実施期間の目安としては、1ヵ月以内に1つの検証が終えられる程度のペースで実施すると良いでしょう。

 

 ④効果を検証

ABテストが終わったら、各ページの成果を比較します。Googleアナリティクスやヒートマップ分析ツールなどを活用し、ページ上に起きた変化を確認しましょう。

 

特にヒートマップはスクロール到達率やページ内の注目度の違い、クリック数などが視覚化されます。次のテストへ活かせる有用なデータを得ることができるため、積極的に活用しましょう。

 

ABテストが良い結果に終われば、他のパターンとテストを繰り返すことでさらなる効果の向上に期待できます。結果が悪くても、再び改善点を探して変更・検証を行うことで成功をより確実なものとできるでしょう。

 

基本的な手順は上記の通りですが、ここで注意するべきポイントは以下の通りです。

 

  • 変更とテストをする要素は1つに絞ること
  • LPと一緒に広告文も変更しないこと
  • リリースから一定以上のデータが溜まってからテストを行うこと

 

先述の通り、複数の要素をいっぺんに変更したうえでテストを行うと、検証で見えた結果に影響を及ぼした要素が分からなくなってしまいます。また、テスト中はリスティング広告のコピーやキーワードも変更しないようにしましょう。変更後の広告に反応したユーザーのニーズとLPの内容にズレが生じることを防ぐためです。

 

リリースからすぐにABテストを実施することもおすすめできません。一定以上のデータが蓄積できていないと、適切な比較検討を行えない可能性があります。統計的な信用性を得るためにもできるだけ多くのデータを蓄積することが望ましいですが、最低でもクリック数が300~400程度になるまでは待つと良いでしょう。

 

 LPのABテストには無料で使えるGoogle オプティマイズがおすすめ!

出典:https://www.shutterstock.com

 

LPのABテストは目視だけでなく、テストツールを用いることで効率的に作業を進めることができます。中でもおすすめなツールは、「Googleオプティマイズ」です。

 

Googleオプティマイズとは、Googleが提供している無料のABテストツールです。GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーとの連携が可能で、ABテストはもちろん異なる2つ以上のURLでLPを比較する「リダイレクトテスト」も実行できます。簡単に連携して分析・検証をスムーズに行えるため、ABテストを取り組みやすくするという観点から導入をおすすめします。

 

そこで、ABテストにおけるGoogleオプティマイズの使い方を以下よりご紹介します。

 

使い方1. エクスペリエンスを作る

コンテナ名をクリックし、エクスペリエンスページを開きます。右上にある「エクスペリエンスを作成」をクリックすると、新規エクスペリエンスの作成が可能です。

 

ページの案内に沿ってエクスペリエンス名・エディターページURL・テストタイプを入力し、作成ボタンを押しましょう。テストタイプには「ABテスト」「多変量テスト(MVT)」「リダイレクトテスト」の3つがありますが、ここではABテストを選択しましょう。ただしURLが異なるページでテストを行う場合は、リダイレクトテストを選択します。

 

使い方2. パターンを追加する

1での設定を終えたら、テストページの「パターンを追加」をクリックします。パターンに分かりやすい名前を付けたうえで「完了」をクリックしましょう。

 

追加されたパターンの右側にある「編集」をクリックすると、ビジュアルエディタ(編集画面)が開きます。

 

使い方3. 目標を設定する

パターンの編集が完了したら、テスト画面下部の設定欄にある「目標」タブをクリックします。このとき、Googleアナリティクスのビューを設定していない場合は「Googleアナリティクスにリンク」で連携しておきましょう。

 

次にテスト情報編集画面の「このテストに使用するビューを選択」にテストしたいURLを入力します。ビューの設定を完了すると「テストの目標を追加」というボタンが表示されるため、クリックして「リストから選択」または「カスタム目標を作成」のどちらかを選択しましょう。

 

また、結果の分析に必要な「副目標」も優先度が高いものを設定します。

 

使い方4. ターゲットを設定する

オーディエンスターゲティングの「カスタマイズ」をクリックし、ターゲットのルールタイプを選択します。デバイスや行動パターン、地域など様々なターゲティングが可能なので、希望のタイプを選びましょう。なお、タイプは複数選択が可能です。

 

タイプを選択したら、アクセスに対して後の割合でオリジナルパターンとテストパターンを表示させるかを設定します。2つ合わせて100%となるように比重を定めましょう。

 

使い方5. テスト開始

これまでに設定した内容を見直し、問題がなければテストを開始します。エクスペリエンス画面右上の「開始」をクリックする他、左にある時計アイコンから設定したスケジュールに合わせて自動で開始させることも可能です。

 

 まとめ

成果にかかわらず、「ABテスト」を定期的に行ってLPの改善を続けていくことは非常に大切です。手間はかかりますが、継続するうちに今よりもユーザーの集まりやすいLPへと進化させることができます。なお、ABテストを実施する際は無料で利用可能な「Googleオプティマイズ」がおすすめです。本記事で解説した手順を参考に、より良いLPを作っていきましょう。

宮本 育夢
ライター 河野 拓馬 営業 / ウェブマーケター
六次元の福岡オフィスメンバーとして2022年入社。動画コンテンツを駆使する新世代のマーケター。
ウェブサイト制作をはじめとしたディレクションやマーケティングも行う。動画クリエイター兼営業マンで、六次元では異端。
趣味はテニスとサウナ。パントマイムが得意。好きな食べ物はきな粉。飼っているドジョウの名前はチョロ蔵。

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