主要ECモールを比較!出店費用や特徴ついてを分かりやすく解説

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ネットショップ運営を始めるとなれば楽天市場やAmazonといったECモールへの出店や出品を検討する事業者は多いはずです。とは言え、ECモールはそれぞれ異なる特徴があり、料金体系も独特であるため事前のリサーチは欠かせません。本記事では、3つの主要ECモールにおける特徴や料金体系について詳しく解説しています。ネットショップ運営を検討している方、どのECモールを選ぶべきか迷っている方はぜひご覧ください。

ECモールとは

出典:https://www.shutterstock.com

 

ECモールとは、複数の事業者が出品・出店しているサイトのことを指します。1つの場所に複数のお店が立ち並んでいるという意味では、「オンライン上のショッピングモール」とも言えます。

 

自分でサイト構築する必要はなく、すでに完成されたシステムを利用して商品を販売できます。さらにサイト自体の知名度が高いため、マーケティングのノウハウを持っていない中小企業やショップも集客しやすいという点は大きなメリットです。

 

なお、ECモールは大きく「マーケットプレイス型」と「テナント型」の2種類に分けられます。

 

マーケットプレイス型

マーケットプレイス型とは、ECモールの中に商品を「出品」する形態のことです。事業者はあくまでもサイトの中に商品を登録するだけで、ショップ独自のページを作ることはできません。そのためブランドの特徴を押し出したい事業者には不向きですが、とても簡単に商品を販売することができます。

 

テナント型

一方でテナント型はECモールの中に「出店」する形態で、ショップはサイト内に独自のページを構えて運営することになります。マーケットプレイス型よりも手間はかかりますが、ブランドの特徴を強調するには最適です。

 

上記の特徴から、型番商品や価格・販売効率を重視する事業者はマーケットプレイス型、オリジナル商品やブランドを重視するならテナント型がおすすめです。

 

マーケットプレイス型 テナント型
モール例 Amazon 楽天市場、Yahoo!ショッピング
特徴 ECモールの中に商品を「出品」する形態 ECモールの中に「出店」する形態。独自のページを構えて運営する
メリット 商品を登録するだけなので、ショップ独自のページを作らなくて済む。 ブランディングがしやすい
デメリット ブランドの特徴を出しづらい ショップを作成するため手間がかかる

 

ECモールは様々なサイトがありますが、国内では「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」が主要モールとして外せない存在です。次項より、それぞれどのような特徴があるのか、運営にはどのくらいの費用が必要なのかについて解説していきます。

 

ECモール出店のメリット

集客力・ブランド力が高い

ECモールにおける大きなメリットは、高いブランド力があるからこその集客力です。特に大型モールはGoogleやYahoo!の検索結果で上位表示されやすいため、多くのユーザーが訪問します。これにより、出店したばかりでも集客が見込めます。

 

また、ユーザーにとっては購入時の対応や商品の品質も重要なポイントです。そのため、ほとんどのECモールは出店に審査を必要としており、サイト全体の信頼性を保っています。高い知名度と人気を誇るECモールで出店審査に通過するということは、自社への信頼性を獲得することにもつながります。

 

サポートが手厚い

ECモールの規模が大きいほど競合も多いため、EC運営のノウハウがない事業者には強豪との差別化に苦労することも珍しくありません。

 

しかし主要なECモールは、出店している企業やブランドに対するサポートも手厚く行っています。例えばアクセス解析のデータ提供や運営・集客のアドバイス、売上増加支援などです。充実したサポートで、ノウハウのない事業者も負担を抑えながら運営できます。

 

実店舗や自社サイトがなくても商品を販売できる

 

ECモールは既存のプラットフォームを利用して商品を販売できます。そのため実店舗がない事業者も、1からサイトのデザイン構築や独自ドメインを取得する手間が省ける点もメリットです。

 

なお、個人の場合でもECモールの出店が可能ですが、出店基準として「本業として商品を取り扱っていること」の証明が求められるため注意が必要です。

 

ECモール出店のデメリット

ランニングコストが必要

ECモールの出店や運営には、出店料・月額利用料・販売手数料などの固定費が必要です。特に大型モールは固定費が高くなる傾向にあるため、そのぶんランニングコストの負担を考慮しながら売り上げ目標を高く設定しなければなりません。手厚いサポートを受けられる反面、自社ECよりも利益を出すことは難しいです。

 

価格競争による利益率の低下

複数の出店者から類似商品が販売されている場合、低価格な商品からユーザーに選ばれやすくなります。そのため価格競争が起きやすい一方、過剰に商品価格を下げると利益率も低下するため価格設定に悩む出店者は少なくありません。

 

ブランド独自の世界観は表現しにくい

既存のプラットフォームは出店の手間を省けるというメリットがある反面、フォーマットが固定されているため自社ならではの個性を演出しにくいです。ブランド独自の世界観を重視する事業者にとっては、大きなデメリットに感じることでしょう。

 

各ECモールの特徴と費用

楽天市場

楽天グループ株式会社が運営する「楽天市場」は、日本にECサイトの存在が浸透し始めた90年代後半からスタートしている老舗のECモールです。楽天会員IDを持つユーザー数は2021年7月時点で約1億1,980万人と抜群の知名度を誇ることに加え、「スーパーセール」などのキャンペーンを開催することで非常に強力な集客力も実現しています。

 

楽天市場はテナント型のECモールですが、「RMS」という独自の店舗運営システムを用意していることが特徴です。店舗ページの構築・受注管理・メール配信・データ分析など本格的な機能が揃っており、他のECサイトと比べて店舗の特徴を押し出したページを構えることができます。

 

そのため、楽天市場は多少コストがかかっても自社のブランドや世界観を十分に表現できるようなECモールを求めている事業者におすすめです。

 

出店にかかる費用は、以下の通りです。

 

<楽天市場>

項目 費用
初期費用 60,000円
月額出店料 ・がんばれ!プラン:19,500円(年間一括払い)
・スタンダードプラン:50,000円(6ヵ月ごとに2回払い)
・メガショッププラン:100,000円(6ヵ月ごとに2回払い)
システム利用料 ・がんばれ!プラン:月間売上高の3.5~7.0%
・スタンダードプラン:月間売上高の2.0~4.5%
・メガショッププラン:月間売上高の2.0~4.5%
システムサービス利用料 楽天ポイント 楽天会員が購入した代金の1%
安全性・利便性向上のシステム利用料 月間売上高の0.1%
楽天スーパーアフィリエイト アフィリエイト経由での売り上げの2.6%~
R-Messe月額固定費 3,000円~(+会話数に応じた従量課金)
楽天ペイ(楽天市場決済)利用料 月間決済高の2.5%~3.5%

 

Amazon

アマゾンジャパン合同会社が運営する「Amazon」は、マーケットプレイス型の代表格ともいえる大手ECモールです。商品登録は1つから可能で、EC販売における業務や保管・梱包・出荷・配送・返品まで一貫して行ってくれるプランもあります。

 

事業者の規模に関わらず参入しやすい手軽さが魅力ですが、ブランドならではの特徴を出しにくいです。また商品の説明もシンプルなものとなるため、詳細な説明が必要な商品の出品にはあまり適していません。 そのため、小規模の事業者や個人でECを運営したい方、ブランドよりも効率的な販売を重視したい事業者におすすめなECモールと言えます。

 

Amazonの出品にかかる費用は、「利用料金」「販売手数料」「配送料」の基本項目3つに加えて「大量出品手数料」が生じる場合もあります。

 

基本項目の料金はプランや商品カテゴリによって金額が異なるため、確認しておきましょう。

 

<Amazon>

項目 費用
利用料金 大口出品プラン 月額4,980円
小口出品プラン 1商品ごとに100円
販売手数料 8~15%(Amazonデバイス用アクセサリに限り45%)
※カテゴリーにより異なる
配送料(FBA利用) 商品1点あたり193~5,625円
※サイズ・重量により異なる
配送料(自社配送) 大口出品プラン ・本/ミュージック/ビデオ/DVD:262~356円(国内の場合)
・その他カテゴリ:独自に設定可能
小口出品プラン ・本/ミュージック/ビデオ/DVD:262~356円(国内の場合)
・その他カテゴリ:262~524円(カテゴリによって追加料金が発生する場合あり)
大量出品手数料 対象の出品商品あたり月額0.05円

 

なお、受け取り済みの代金を返金する場合、Amazonへ支払った販売手数料は「返金処理手数料」として出品者のもとへ返ってきます。その際、500円または販売手数料の20%のうち、金額の小さい方が販売手数料から差し引かれます。

 

Yahoo!ショッピング

Yahoo! JAPANが運営する「Yahoo!ショッピング」は、毎年出店店舗数が増加しているテナント型の大規模ECモールです。

 

初期費用や月額固定費がかからないため、できるだけ低コストでECモールに出店したいと考える事業者におすすめです。また、外部の販売チャネルやWEBサイトなどの外部リンクを自由に貼り付けることができます。そのため施策の幅が広がり、ブランディングが行いやすくなるというメリットもあります。

 

Yahoo!ショッピングでは他ECモールにかかる「初期費用」「月額利用料」「売上ロイヤリティ」などがすべて無料である代わりに、以下の費用が発生します。

 

Yahoo!ショッピング

項目 費用
ストアポイント原資負担 1~15%
キャンペーン原資負担 1.5%
アフィリエイトパートナー報酬原資
※アフィリエイト広告利用時
1%~15%
アフィリエイト手数料
※アフィリエイト広告利用時
アフィリエイトパートナー報酬原資の30%
決済手数料 クレジットカード決済 決済金額の3.24%
Yahoo!Japanカード決済 決済金額の3.0%
モバイル支払い(キャリア) 決済金額の4.48%
モバイルSuica決済 決済金額の3.6%
コンビニ決済 150円/件~300円/件
銀行振込決済(ペイジー) 150円/件
PayPay残高払い 決済金額の3.0%

 

Yahoo!ショッピングでは、ユーザーが商品を購入するとPayPayボーナスまたは PayPayボーナスライト、Tポイントが付与されます。この原資となっているのが、「ストアポイント原資負担」や「キャンペーン原資負担」の項目です。

 

ストアポイントの倍率は1%~15%まで自由に設定できますが、倍率を高くするほどユーザーに付与されるポイントも増えるため、販促効果につながります。

 

auPAYマーケット(旧:Wowma!)

 

auPAYマーケットは、auコマース&ライフ株式会社とKDDIが運営しているテナント型ECモールです。以前は「au Wowma!」という名称でしたが、2020年5月から 「auPAYマーケット」に変更されました。主なユーザー層としては30~40代がメインで、スマートフォン(auユーザー)からのアクセスは全体の約9割にまでのぼると言われています。

 

Amazonや楽天市場などと比べればまだ伸びしろのあるモールではありますが、そのぶん競合は少ないため先行有利を取りやすいです。

 

また、入会金や決済導入費は無料かつ、月額出店費用は5,280円と比較的低コストで出店・運営できる点は魅力です。なお、「シンプル出店プラン」と「コミコミ出店プラン」という2種類のプランがあり、コミコミ出店プランでは成約手数料に決済手数料が含まれて諸費用を抑えることができます。一方でシンプル出店プランの場合、出店者側が別途決済サービスを契約する必要があります。

 

auPAYマーケットにおける具体的な料金体系は、以下の通りです。

 

auPAYマーケット

項目 費用
入会金 0円
月額料金 5,280円
決済導入費 0円
成約手数料(コミコミ出店プラン) 4.5~9.0%
※カテゴリ・売上により異なる
決済手数料(コミコミ出店プラン)
成約手数料(シンプル出店プラン) 4.0~6.5%
※カテゴリ・売上により異なる
ポイント原資 1.0%
アフィリエイトプログラム アフィリエイト手数料・利用料の合計
※アフィリエイト手数料=商品価格×アフィリエイト手数料率
※アフィリエイト利用料=アフィリエイト手数料×15%【アフィリエイト手数料率】
・通常会員購入:2~8%
・スマートプレミアム会員購入:1.5~7.5%
※カテゴリにより異なる
auスマートパスプレミアム手数料 Auスマートパスプレミアム手数料の対象となる売上(商品販売額+送料の合計金額)×0.5%

 

Qoo10

Qoo10はイーベイジャパンが運営するテナント型ECモールで、会員登録数が年々増加し続けている注目度の高いプラットフォームでもあります。商品価格の安さや多くのインフルエンサーが利用していることもあり、ユーザー層の大半は20~30代の若い女性が占めていることが特徴です。

 

国内ECサイトとしては珍しく、「完全成果報酬型」を採用しています。出店審査が簡単なうえ料金体系もシンプルなので、参入のハードルや運営上のリスクも低いです。販売手数料はかかりますが、決済システムの導入が不要かつカード決済の手数料はQoo10側が負担してくれます。

 

また、Amazonにおける「FBA」のように、受注から配送まで一連の業務を代行してくれるサービスも提供しています。

 

Qoo10の具体的な料金体系は、以下の通りです。

 

Qoo10

項目 費用
初期費用 0円
月額料金 0円
販売手数料 6~10%
※カテゴリにより異なる
追加手数料(販売手数料にプラス) ・予約販売、後日販売:プラス2%
・Qoo10での銀行口座登録または商品出荷地が日本国外の場合:プラス2%
・ Qoo10サイト以外の外部広告または最安値コーナー経由の売上:プラス1%
振込手数料 1回あたり150円

 

ECモール出店なら六次元におまかせ!

株式会社六次元では元大手ショッピングモール出身のコンサルタントがおり、商材に合わせた戦略をご提案することが可能です。ECモールへの出店のお手伝いから、出店後の運用まで対応可能です。ECモールへの出店やリニューアルオープンをお考えの場合はぜひお問い合わせください。ご相談は無料です。

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ECモール比較まとめ

楽天市場

<費用>

  • 初期費用60,000円
  • 月額出店料50,000円(スタンダードプラン)
  • 売上手数料:月間売上高の2.0~4.5%(スタンダードプラン)

※他プラン有り
※他手数料有り

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<特徴>

  • テナント型のECモール
  • 「スーパーセール」などのキャンペーンを開催することで非常に強力な集客力が魅力。
  • 店舗ページの構築・受注管理・メール配信・データ分析など本格的な機能が揃っており、他のECサイトと比べて店舗の特徴を押し出したページを構えることが可能。

 

<おすすめの事業者>

  • 多少コストがかかっても自社のブランドや世界観を十分に表現できるようなECモールを求めている事業者
Amazon

<費用>

  • 初期費用無料
  • 月額出店料4,980円(大口プランの場合)
  • 売上手数料8~15%(Amazonデバイス用アクセサリに限り45%)

※カテゴリーにより異なる
※他プラン有り
※他手数料有り

詳しくはこちら

<特徴>

  • マーケットプレイス型
  • 事業者の規模に関わらず参入しやすい手軽さが魅力。
  • 商品の説明がシンプルなものとなるためブランドならではの特徴は出しにくい。


<おすすめの事業者>

  • 小規模の事業者や個人でECを運営したい方、ブランドよりも効率的な販売を重視したい事業者
Yahoo!ショッピング

<費用>

  • 初期費用無料
  • 月額出店料無料
  • 売上手数料無料

※他プラン有り
※他手数料有り

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<特徴>

  • テナント型のECモール
  • 初期費用や月額固定費がかからない
  • 外部の販売チャネルやWEBサイトなどの外部リンクを自由に貼り付けることが可能


<おすすめの事業者>

  • 初期費用や月額固定費がかからないため、できるだけ低コストでECモールに出店したいと考える事業者
auPAYマーケット

<費用>

  • 初期費用無料
  • 月額出店料5,280円
  • 売上手数料無料4.5~9.0%

※カテゴリ・売上により異なる
※他手数料有り

詳しくはこちら

<特徴>

  • テナント型のECモール
  • ユーザーのほとんどがスマートフォン利用者
  • 決済手数料と販売手数料がコミコミなプランあり

 

<おすすめの事業者>

  • 競合が少ないプラットフォームでauユーザーの獲得も狙いたい事業者
Qoo10

<費用>

  • 初期費用無料
  • 月額出店料無料
  • 売上手数料6~10%

※カテゴリにより異なる
※他手数料有り

詳しくはこちら

<特徴>

  • テナント型のECモール
  • メインのユーザーは若年層の女性
  • 費用は完全成果報酬型

 

<おすすめの事業者>

  • 若年層の女性をターゲットに商品を販売したい事業者、可能な限り低コスト・低リスクで運営したい事業者
※2023年4月時点

ECモールとは1つのサイトに複数店舗が出店または出品する、いわば「オンライン上のショッピングモール」です。自社サイトを構築せずとも商品を販売できるだけでなく、有名サイトであればマーケティングのノウハウを持っていなくても十分な集客効果を得られます。ECモールごとに特徴や料金携帯は異なるため、今回ご紹介した主要ECモールの特徴を参考に、どれが自社ブランドに適しているのかをよく検討しましょう。

 

宮本 育夢
ライター 河野 拓馬 営業 / ウェブマーケター
六次元の福岡オフィスメンバーとして2022年入社。動画コンテンツを駆使する新世代のマーケター。
ウェブサイト制作をはじめとしたディレクションやマーケティングも行う。動画クリエイター兼営業マンで、六次元では異端。
趣味はテニスとサウナ。パントマイムが得意。好きな食べ物はきな粉。飼っているドジョウの名前はチョロ蔵。

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