3つの主要ECモールを徹底比較!それぞれの特徴や料金体系について

ネットショップ運営を始めるとなれば楽天市場やAmazonといったECモールへの出店や出品を検討する事業者は多いはずです。とは言え、ECモールはそれぞれ異なる特徴があり、料金体系も独特であるため事前のリサーチは欠かせません。本記事では、3つの主要ECモールにおける特徴や料金体系について詳しく解説しています。ネットショップ運営を検討している方、どのECモールを選ぶべきか迷っている方はぜひご覧ください。
ECモールとは
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ECモールとは、複数の事業者が出品・出店しているサイトのことを指します。1つの場所に複数のお店が立ち並んでいるという意味では、「オンライン上のショッピングモール」とも言えます。
自分でサイト構築する必要はなく、すでに完成されたシステムを利用して商品を販売できます。さらにサイト自体の知名度が高いため、マーケティングのノウハウを持っていない中小企業やショップも集客しやすいという点は大きなメリットです。
なお、ECモールは大きく「マーケットプライス型」と「テナント型」の2種類に分けられます。
マーケットプライス型とは、ECモールの中に商品を「出品」する形態のことです。事業者はあくまでもサイトの中に商品を登録するだけで、ショップ独自のページを作ることはできません。そのためブランドの特徴を押し出したい事業者には不向きですが、とても簡単に商品を販売することができます。
一方でテナント型はECモールの中に「出店」する形態で、ショップはサイト内に独自のページを構えて運営することになります。マーケットプライス型よりも手間はかかりますが、ブランドの特徴を強調するには最適です。
上記の特徴から、型番商品や価格・販売効率を重視する事業者はマーケットプライス型、オリジナル商品やブランドを重視するならテナント型がおすすめです。
ECモールは様々なサイトがありますが、国内では「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」が主要モールとして外せない存在です。次項より、それぞれどのような特徴があるのか、運営にはどのくらいの費用が必要なのかについて解説していきます。
ECモール1:楽天市場の特徴と費用
楽天グループ株式会社が運営する「楽天市場」は、日本にECサイトの存在が浸透し始めた90年代後半からスタートしている老舗のECモールです。楽天会員IDを持つユーザー数は2021年7月時点で約1億1,980万人と抜群の知名度を誇ることに加え、「スーパーセール」などのキャンペーンを開催することで非常に強力な集客力も実現しています。
楽天市場はテナント型のECモールですが、「RMS」という独自の店舗運営システムを用意していることが特徴です。店舗ページの構築・受注管理・メール配信・データ分析など本格的な機能が揃っており、他のECサイトと比べて店舗の特徴を押し出したページを構えることができます。
そのため、楽天市場は多少コストがかかっても自社のブランドや世界観を十分に表現できるようなECモールを求めている事業者におすすめです。
出店にかかる費用は、以下の通りです。
項目 | 費用 | |
初期費用 | 60,000円 | |
月額出店料 | ・がんばれ!プラン:19,500円(年間一括払い) ・スタンダードプラン:50,000円(6ヵ月ごとに2回払い) ・メガショッププラン:100,000円(6ヵ月ごとに2回払い) |
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システム利用料 | ・がんばれ!プラン:月間売上高の3.5~7.0% ・スタンダードプラン:月間売上高の2.0~4.5% ・メガショッププラン:月間売上高の2.0~4.5% |
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システムサービス利用料 | 楽天ポイント | 楽天会員が購入した代金の1% |
安全性・利便性向上のシステム利用料 | 月間売上高の0.1% | |
楽天スーパーアフィリエイト | アフィリエイト経由での売り上げの2.6%~ | |
R-Messe月額固定費 | 3,000円~(+会話数に応じた従量課金) | |
楽天ペイ(楽天市場決済)利用料 | 月間決済高の2.5%~3.5% |
ECモール2:Amazonの特徴と費用
アマゾンジャパン合同会社が運営する「Amazon」は、マーケットプライス型の代表格ともいえる大手ECモールです。商品登録は1つから可能で、EC販売における業務や保管・梱包・出荷・配送・返品まで一貫して行ってくれるプランもあります。
事業者の規模に関わらず参入しやすい手軽さが魅力ですが、ブランドならではの特徴を出しにくいです。また商品の説明もシンプルなものとなるため、詳細な説明が必要な商品の出品にはあまり適していません。 そのため、小規模の事業者や個人でECを運営したい方、ブランドよりも効率的な販売を重視したい事業者におすすめなECモールと言えます。
Amazonの出品にかかる費用は、「利用料金」「販売手数料」「配送料」の基本項目3つに加えて「大量出品手数料」が生じる場合もあります。
基本項目の料金はプランや商品カテゴリによって金額が異なるため、確認しておきましょう。
項目 | 費用 | |
利用料金 | 大口出品プラン | 月額4,980円 |
小口出品プラン | 1商品ごとに100円 | |
販売手数料 | 8~15%(Amazonデバイス用アクセサリに限り45%) ※カテゴリーにより異なる |
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配送料(FBA利用) | 商品1点あたり193~5,625円 ※サイズ・重量により異なる |
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配送料(自社配送) | 大口出品プラン | ・本/ミュージック/ビデオ/DVD:262~356円(国内の場合) ・その他カテゴリ:独自に設定可能 |
小口出品プラン | ・本/ミュージック/ビデオ/DVD:262~356円(国内の場合) ・その他カテゴリ:262~524円(カテゴリによって追加料金が発生する場合あり) |
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大量出品手数料 | 対象の出品商品あたり月額0.05円 |
なお、受け取り済みの代金を返金する場合、Amazonへ支払った販売手数料は「返金処理手数料」として出品者のもとへ返ってきます。その際、500円または販売手数料の20%のうち、金額の小さい方が販売手数料から差し引かれます。
ECモール3:Yahoo!ショッピングの特徴と費用
Yahoo! JAPANが運営する「Yahoo!ショッピング」は、毎年出店店舗数が増加しているテナント型の大規模ECモールです。
初期費用や月額固定費がかからないため、できるだけ低コストでECモールに出店したいと考える事業者におすすめです。また、外部の販売チャネルやWEBサイトなどの外部リンクを自由に貼り付けることができます。そのため施策の幅が広がり、ブランディングが行いやすくなるというメリットもあります。
Yahoo!ショッピングでは他ECモールにかかる「初期費用」「月額利用料」「売上ロイヤリティ」などがすべて無料である代わりに、以下の費用が発生します。
項目 | 費用 | |
ストアポイント原資負担 | 1~15% | |
キャンペーン原資負担 | 1.5% | |
アフィリエイトパートナー報酬原資
※アフィリエイト広告利用時 |
1%~15% | |
アフィリエイト手数料
※アフィリエイト広告利用時 |
アフィリエイトパートナー報酬原資の30% | |
決済手数料 | クレジットカード決済 | 決済金額の3.24% |
Yahoo!Japanカード決済 | 決済金額の3.0% | |
モバイル支払い(キャリア) | 決済金額の4.48% | |
モバイルSuica決済 | 決済金額の3.6% | |
コンビニ決済 | 150円/件~300円/件 | |
銀行振込決済(ペイジー) | 150円/件 | |
PayPay残高払い | 決済金額の3.0% |
Yahoo!ショッピングでは、ユーザーが商品を購入するとPayPayボーナスまたは PayPayボーナスライト、Tポイントが付与されます。この原資となっているのが、「ストアポイント原資負担」や「キャンペーン原資負担」の項目です。
ストアポイントの倍率は1%~15%まで自由に設定できますが、倍率を高くするほどユーザーに付与されるポイントも増えるため、販促効果につながります。
ECモール比較まとめ
ECモール | 特徴 | おすすめの事業者 |
楽天市場 | ●テナント型のECモール
●「スーパーセール」などのキャンペーンを開催することで非常に強力な集客力が魅力。 ●店舗ページの構築・受注管理・メール配信・データ分析など本格的な機能が揃っており、他のECサイトと比べて店舗の特徴を押し出したページを構えることが可能。 |
多少コストがかかっても自社のブランドや世界観を十分に表現できるようなECモールを求めている事業者 |
Amazon | ●マーケットプライス型
●事業者の規模に関わらず参入しやすい手軽さが魅力。 ●商品の説明がシンプルなものとなるためブランドならではの特徴は出しにくい。 |
小規模の事業者や個人でECを運営したい方、ブランドよりも効率的な販売を重視したい事業者 |
Yahoo!ショッピング | ●テナント型のECモール
●初期費用や月額固定費がかからない ●外部の販売チャネルやWEBサイトなどの外部リンクを自由に貼り付けることが可能 |
初期費用や月額固定費がかからないため、できるだけ低コストでECモールに出店したいと考える事業者 |
ECモールとは1つのサイトに複数店舗が出店または出品する、いわば「オンライン上のショッピングモール」です。自社サイトを構築せずとも商品を販売できるだけでなく、有名サイトであればマーケティングのノウハウを持っていなくても十分な集客効果を得られます。ECモールごとに特徴や料金携帯は異なるため、今回ご紹介した主要ECモールの特徴を参考に、どれが自社ブランドに適しているのかをよく検討しましょう。
株式会社六次元(ROKUJIGEN)
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