リターゲティング広告の仕組み・やり方について解説!
目次
Webページの閲覧中に「この広告、前にも見たことがある」「以前調べた商品の広告だ」と感じた経験はないでしょうか。
これにはリターゲティング広告という仕組みが用いられています。
すでにサイトを訪れたことのあるユーザーに対し広告を表示し、購買意欲を思い出してもらう手法です。
本記事では広告運用に興味がある方向けに、リターゲティング広告の仕組みや、やり方についてご紹介します。
リターゲティング広告とは
出典:https://www.shutterstock.com
リターゲティング広告とは、一度サイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を配信できる仕組みを指します。
サイトで商品ページを見ても「もう少し考えよう」と思い、その場で購入しないユーザーは多くいます。
リターゲティング広告はそのようなユーザーに対し訴求し、購入を促します。
「リマーケティング広告」など、他の名称を使うこともあります。
リターゲティング広告とリマーケティング広告は同じ!?
先述の通り、リターゲティング広告に対して「リマーケティング広告」と呼ぶ人もいますが、仕組みそのものに変わりはありません。
両者の違いは、広告を配信する媒体にあります。
Googleが運営している追従型広告が「リマーケティング広告」、Yahoo!が運営している追従型広告が「リターゲティング広告(正式名称はサイトリターゲティング広告)」です。
その他媒体によって呼称が異なることもありますが、いずれにしても「一度サイトに訪れたユーザーに広告を配信する」という機能は同じです。
どちらかの呼称だけ使う人もいれば、クライアントが運用に用いる媒体に合わせて使い分ける人もいます。
リターゲティング広告の仕組み
リターゲティング広告を運用する前に、仕組みを理解しておきましょう。
ここでは、大まかな流れに沿ってご紹介します。
リターゲティング広告では、広告を配信する事業者に「このユーザーはサイトを訪れたことがある」と判断してもらう必要があります。
訪れたことのあるユーザーを識別するには「cookie」と呼ばれる仕組みを利用します。
リターゲティング広告用にタグを設置すると、サイトを訪れたユーザーにcookieが付与されます。
このcookieを目印にしてユーザーを追いかけ、広告を配信するのです。
ユーザーをリスト化する
リターゲティング広告にはユーザーをリスト化する仕組みが存在します。
代表的な例は以下の通りです。
・購入済みのユーザーのリスト
・購入に至っていないユーザーのリスト
・性別や年齢別のリスト
リターゲティング広告を効果的に活用するには、このリストの使い方が重要です。
購入済みのユーザーのリストに対しては広告を配信しないなど、それぞれのリストに対して配信するかしないかを設定します。
反対に、リピート購入の見込みがある商品であれば購入済みのユーザーにあえて配信するといった戦略も可能でしょう。
このようにユーザーの特性から効果的なターゲティングを行い、コンバージョン率を高めていきます。
また、十分な情報量のリストができるまでには1ヶ月以上の期間を要することに注意しましょう。
広告を配信する
リストの量が増えてきたら、いよいよ広告の配信です。
リターゲティング広告では、ユーザーが一度サイトを訪れてから、どのくらいの時間を空けて配信するかが重要と言われています。
あまり期間を空けすぎても効果が出にくいため、数日後に配信するケースが多いでしょう。
リターゲティング広告のメリット
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数あるWeb広告の中で、リターゲティング広告を選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。
リターゲティング広告を利用するメリットをご紹介します。
CVRが高い
リターゲティング広告は、CVRの高さに期待できることで知られています。
CVRとはコンバージョンともいい、サイトを訪れたユーザー数に対して成果がどれくらい結びついたかを示す指標のことです。
ユーザーはサイトを訪れたところで必ず商品やサービスを購入してくれるわけではなく、閲覧だけで離脱することも多いです。
特に雑貨や化粧品など、選択肢が豊富かつ緊急性が高くないものは他のサイトも見て回りながらじっくりと検討する傾向にあります。
このような「即決はしないけれど漠然とした購入意欲はある」というユーザーに、リターゲティング広告で再度アプローチをすると購入へ誘導しやすくなります。
見込み顧客へアプローチできる
リターゲティング広告はすでに商品に興味を持っているユーザーに対してアプローチするため、コンバージョンに繋がりやすい傾向があります。
商品ページを一度閲覧しても、ほとんどのユーザーが購入に至ることなく離脱します。
他の商品と比較したり、検討に時間を必要とするためです。
リターゲティング広告を利用すると、そのようなユーザーを逃さず効果的にコンバージョンを狙えます。
購買意欲があるのに忘れてしまっていたり、まだそこまでの意欲はなかったりするユーザーも、購入に至る可能性があるのです。
費用対効果が高い
リターゲティング広告はその他のWeb広告と比べ、費用対効果が高いと言われています。
すでに商品に興味を持っているユーザーに絞れるため、むやみに大勢のユーザーに配信して予算を消費することがありません。
購買意欲があるのに購入に至っていない層を効率よく狙うことが可能です。
高額な商品に対しても効果的
高額な商品であれば、ユーザーは「買ってもいいのかな」と悩む時間が長くなる傾向があります。
そのうちに、いつの間にか商品の存在自体を忘れてしまうというケースがあるのです。
リターゲティング広告はこのようなケースに対しても効果的です。
忘れてしまう前、もしくは忘れてしまったころに広告を表示させることができます。ユーザーは改めて商品に興味を持ち「やっぱり買おう」と決断することがあります。
このように、リターゲティング広告は購入前によく検討される商品に対して相性がいいと言われています。
リターゲティング広告のデメリット
優れた印象のあるリターゲティング広告ですが、デメリットはあるのでしょうか。
利用の前にチェックしておきましょう。
ブランドイメージに影響を与える可能性がある
繰り返し表示させるリターゲティング広告は、ユーザーに「またこの広告?」と思われる可能性があります。
不信感や不快感を与え、ブランドイメージを損なうことも考えられます。
リターゲティング広告では、表示する頻度を運用しながら変更することができます。
効果的かつしつこさを感じさせない、適切な頻度をつかんでいきましょう。
新規顧客の開拓には不向き
一度訪れたユーザーに絞って配信するリターゲティング広告は、新規開拓には不向きです。
また、広告の表示回数も全体的に少なくなる傾向があります。
新規顧客を狙う場合は、リスティング広告やディスプレイ広告など他の方法も検討しましょう。
細かな設定が必要
cookieやリストの設定など、慣れないと戸惑うケースがあります。
特にリターゲティング広告は詳細に設定できます。一口に「サイトを訪れたことのあるユーザーに配信する」と言っても、多くの選択肢が存在するのです。
理想的な運用になるように試行錯誤しつつ、予算やブランドイメージも気にかけなくてはなりません。
それらをすべて自社で行おうとすると、ノウハウはもちろん、割ける時間や労力がないというケースがあります。
フリークエンシーキャップで広告の表示頻度を調整しよう!
フリークエンシーキャップとは、広告の表示頻度に制限をかけるコントロール機能のことです。
上項のリターゲティング広告におけるデメリットでも挙げた通り、同じ内容の広告が何度も表示されるとユーザーは不快感を覚え、そのブランドに対して悪いイメージを抱くことがあります。
また、何度も同じユーザーに広告を表示すると、そのぶん他のユーザーに広告を届けることができなくなってしまいます。
そのため、リターゲティング広告はフリークエンシーキャップを設定したうえで運用を続けることが大切です。
設定できる内容は媒体により異なりますが、代表的な設定項目としては以下の通りです。
●回数
●期間
●広告の種類
リターゲティング広告のやり方
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リターゲティング広告を始めるためには、まずはどこの媒体から配信するか決定しましょう。
代表的なものはGDNとYDN
代表的な媒体として「GDN(グーグル・ディスプレイ・ネットワーク)」「YDN(ヤフー・ディスプレイアド・ネットワーク)」があります。
この他にも選択肢はありますが、これから始める際にはこれらの媒体で問題ないでしょう。
GDNは、その名の通りGoogleの広告ネットワークを指します。
Googleが提供するGmailなどの関連サイトに広告を表示するシステムです。
加えてYouTubeや食べログなど、提携する幅広いサイト上に広告を掲載します。
個人ブログにも表示される点も特徴的です。
対してYDNはYahoo!メールやYahoo!ニュースなど、Yahoo!が提供する広告に配信されます。
その他提携サイトにも表示されますが、こちらは法人サイトのみが対象です。
他の媒体
上記のGDNやYDN以外に、Facebook・Instagram・Twitter・LINEといったSNSでも広告を配信できます。
SNSの広告は、そのサービスに登録されている会員データに基づいて配信されることが特徴です。
そのため、「〇〇の投稿にいいねしている20代の女性」と細かい条件で絞りこんだターゲットに広告を届けることができます。
また、Criteoや Logicadなど「DSP」と呼ばれるサービスもリターゲティング広告における有力媒体です。
GDNとYDNのリターゲティング広告の種類と特徴
リターゲティング広告には様々な種類があり、どれを実施するかにより広告の配信方法は異なります。
初心者のうちは通常のリターゲティングから始め、手法の幅を広げてみたくなったときに他のリマーケティングに挑戦してみてください。
●通常のリターゲティング:
ウェブサイトに訪れたことのあるユーザーが、ディスプレイ広告の配信ネットワーク内にあるサイトアプリを閲覧しているときに広告を配信できる。
●アプリのリターゲティング:
広告主が所有しているiOSやAndroidアプリ内の行動履歴に基づいて作成したユーザーリストを使用し、広告を表示する。
●動画リターケティング:
YouTubeや動画パートナーサイトで動画を視聴したユーザーをリスト化し、そのユーザーへ広告を表示する。
●顧客リストに基づいたリターゲティング:
広告主が持っている顧客の連絡先情報(電話番号やメールアドレスなど)を暗号化したうえで媒体にアップロードし、その情報に基づいたユーザーリストを作成する。
●検索広告向けリターゲティング:
ウェブサイトにアクセスしたことがあるユーザーが検索しているときに配信する。
●動的リターゲティング:
閲覧した商品やサービスに応じてカスタマイズされたメッセージを表示し、サイトへの再訪を促す。(関連商品やよく見られている商品のおすすめ表示など)
●Googleアナリティクスリターゲティング:
Googleアナリティクスの計測データに基づき、GDNのユーザーリストを作成する。
なお、上記のうち「動画リターゲティング」「顧客リストに基づいたリターゲティング」「Googleアナリティクスリターゲティング」はYDNで使うことができません。
リターゲティング広告の費用について
リターゲティング広告では、「クリック課金」と「インプレッション課金」の2種類の課金方法があります。
クリック課金はクリックごとに料金が発生するため、興味を持ってくれている人だけに料金が発生するメリットがあります。
反面、クリックするユーザーが多いと費用が高くなってしまいます。
多くの場合、1クリックにつき数十円ほどの費用がかかります。
インプレッション課金では、広告が1,000回表示されるたびに数百円ほどの費用がかかります。
クリック数が高ければクリック課金よりも費用を抑えられる可能性があります。
しかし、1クリックごとに料金が発生するシンプルなクリック課金に比べ、分析がしづらいというデメリットがあります。
リターゲティング広告の費用については他の記事でも説明しています。詳しくはこちらをご覧ください!
まとめ
出典:https://www.shutterstock.com
リターゲティング広告は、購入の見込みのあるユーザーに絞ってアプローチをする方法です。
分析や改善を重ねつつ運用していけば、高い効果を実感できるケースがあります。
しかし下記のような悩みを抱える担当者も多くいるのも現状です。
・運用を始めたはいいものの効果が出ない
・リターゲティング広告に不向きな新規顧客の開拓もしてみたい
・リターゲティング広告の十分な運用に割けるリソースがない
このような場合は、ぜひ広告運用のプロへの一任もご検討ください。
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