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EC運営では商品を購入者に送り届けるために送料が発生します。送料設定は商品の売れ行きにも、売上利益にも深くかかわる重要な要素です。この記事ではECでの送料の決め方を詳しく解説します。楽天市場の39ショップは送料設定の負担を減らし、ユーザーメリットも大きくできる方法として注目されていますが、問題もあることは否めません。39ショップの問題点と利益を得るための方策も紹介するのでEC経営に役立ててください。
ECの送料設定の方法
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ECで販売している商品の送料設定には標準的な方法があります。EC運営をするときには送料を的確に設定することで利益を生み出すことが可能です。ここでは基本的な送料設定方法をまずは紹介します。
配送地域による送料設定
配送地域ごとに送料を決めて明示するのが標準的な方法です。関東地方、東北地方、近畿地方などといった形で地方ごとに分ける方法と、都道府県別で記載する方法があります。実際の配送料を加味して、配送元から近い距離の地域は安く設定し、遠い場合には高く設定するのが典型的な決め方です。
また、配送地域を限定せず、全国一律で送料設定をする方法もあります。ユーザーは「自分の住んでいるところでは送料が高いからやめよう」という判断をする場合があります。全国どこでも一律にすると、ユーザーが送料について不満を抱きにくくすることが可能です。北海道や沖縄のように送料がどうしても高くなる地域だけ別料金にする方法もあります。
配送方法による送料設定
配送方法によって送料負担が異なるので、個別に送料設定をするのは合理的な方法です。通常の常温便の他に、冷蔵便、冷凍便、大型便といった配送方法の選択肢があります。冷蔵や冷凍で発送する必要がある商品は送料を別途設定する、大型便でなければ送れない商品には個別に送料を決めるといったやり方が一般的です。
また、自社配送をする商品やメーカー直送の商品にも個別の送料設定をして対応する場合があります。物流業者や宅配業者を利用する場合に比べて自社配送ではコストがかかる場合も、逆にコストを抑えられる場合もあるでしょう。コストに合わせて送料の調整をするのは合理的です。メーカー直送の場合には他の商品との同梱ができないので、単品販売の扱いで送料設定をすることが多くなっています。
配送先の数や個口数による送料設定
ECでは複数の配送先を指定される場合や複数個口での発送をしなければならない場合があります。配送先の数や個口数によって送料設定をするのも典型的な方法です。ユーザーが複数の配送先を指定した場合にはそれぞれに対して送料を請求するのが合理的でしょう。重さやサイズの都合で複数個口になる場合にも送料を個別に請求して問題はありません。
ただし、複数の配送先や複数個口の注文をしたときに送料がかさむとユーザーが購入を断念するリスクがあります。ポリシーを明確に示しておけばトラブルにはなりません。しかし、複数個口でも一律の送料で対応するとユーザーにとってはメリットになるので、競合と比較して選んでもらえる可能性が高まります。
送料無料設定
ECで商品を購入するユーザーにとっては送料がかからないのが理想的です。送料無料にするのもプロモーション効果がある方法です。一律で全品送料無料にすることもできますが、一定金額以上の購入で送料無料にしたり、送料無料商品を購入すれば同梱できる商品を送料無料にしたりする方法もあります。全国一律で送料無料にすることも、北海道や離島などの送料負担が大きい地域だけ無料にせずに対応することも可能です。
送料無料設定をすると配送料は自社負担しなければなりません。利益率を考えると価格に送料のコストを上乗せする必要があるでしょう。送料無料にするとユーザーにとって魅力があるのは確かですが、商品単価を上げる必要性が高いので注意が必要です。
ECでの送料の決め方
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ECの送料はさまざまな観点から決めることができます。基本的には商品を売れるようにして利益を最大化できるように設定するのが大切です。ここではECで欠かせない送料の決め方の基本を解説します。
自社利益をまず検討する
ECの送料設定でまず検討すべきなのは自社利益です。商品が売れたとしても送料を自社で全額負担したために利益率が低下してしまい、継続的に商品販売を続けられなくなってしまっては元も子もありません。送料を考慮して利益を生み出せるように設定するのがとても重要です。
すべての商品を送料無料にするとコスト的に厳しくても、一定額以上の販売価格になれば送料を自社負担しても利益を十分に生み出せることもあります。全国一律で送料無料としてしまい、商品価格を調整して利益を出せるようにする方法もあります。自社利益をまずは重視して送料設定をしましょう。
商品の販売価格とのバランスから考える
商品の販売価格のプライシングとのバランスを考えて決めるのも重要です。プライシングはECで商品が売れるかどうかを大きく分けます。特に型番商品の場合には競合ショップでの販売価格よりも高いと売れにくくなるので注意が必要です。しかし、単品で購入したときに送料込みの価格で競合他社より安くなればユーザーに選んでもらえる可能性が高くなります。ECモールに出店するときには総額で安くするのは合理的な戦略です。
また、単品での購入では競合ショップに価格で劣っていたとしても、一定額以上の購入で送料無料のサービスをしていれば「もう一品買って送料無料にしよう」とユーザーに考えてもらえる可能性があります。商品の販売価格を競合と同額以下にした上で、送料無料ラインを設けるのも賢い方法です。
ユーザーの購買意欲を考慮する
送料の負担はユーザーの購買意欲を左右する要素です。ユーザーに買ってもらえるように送料設定をしましょう。消費者の目線で「この送料なら買っても良い」と思ってもらうのが大切です。全国一律の送料にすると「近いのに送料が高い」と思われるリスクがありますが、「遠いけれど安い」」と思ってもらえる場合もあります。
全品送料無料にすれば売れると思うかもしれません。しかし、ユーザーは送料が商品価格に上乗せされていて、複数の商品を買うと送料で損をすると考える場合があります。一定額以上の購入で送料無料になる場合には、たくさん買うと送料をショップが負担してくれるという印象を与えられます。まとめて買ってもらえれば利益を増やしやすいだけでなく、さまざまな商品を買って使ってもらえてリピーターになる可能性が高くなるのがメリットです。ECの送料設定ではユーザーの購買意欲を継続させる戦略を立てましょう。
競合の送料相場を確認する
ECの送料は競合調査を通して決めるのも合理的です。型番商品の場合には同じ商品を販売している競合の送料設定を確認して、同額未満に設定すれば有利になります。同額の送料でも商品配送の対応の早さや顧客フォローなどで良い評価を得られれば、競合他社よりも売れるようになる可能性が十分にあります。特にECモールに出店しているときには競合と比較されるので、送料相場を確認して不利にならないようにするのが大切です。
楽天市場での送料設定のポイント
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楽天市場は日本の巨大ECモールの一つで、EC運営をするときには楽天市場への出店を検討する事業者も多いことでしょう。楽天市場では送料設定について39ショップという特別なルールがあります。ここでは39ショップの魅力と、送料設定の問題について解説します。
楽天市場での39ショップの魅力
楽天市場ではユーザーにとって送料をわかりやすくするというコンセプトで39ショップの制度を取り入れています。送料無料ラインを超える金額の商品を購入したときには、ショップ側は送料無料で対応する仕組みになっています。現在、楽天市場への出店するには39ショップの申請をして登録する必要があり、税込3,980円以上の購入の場合に送料無料で商品を送付しなければなりません。しかし、ユーザーにとっては一定額以上の購入をすれば送料無料になることが保証されているので魅力的なショップとして目を向けてくれます。
39ショップになって3,980円以上の商品をまとめて買ってくれたユーザーを送料無料にすると売上が伸びる可能性が十分にあります。しかし、送料を自社が負担しなければならないので利益は減るリスクがあるので注意が必要です。3,980円以上買ってくれれば送料を負担しても十分に利益が出るように商品価格を設定しましょう。プライシングを適切におこなって39ショップになると楽天市場で注目されるメリットを活かせるようになります。
沖縄・離島の送料についての対応
39ショップになると全国一律で3,980円以上の購入をしたユーザーを送料無料にするというわけではありません。送料負担が大きい沖縄や離島の送料については税込9,800円以上の購入をしたときに無料になる仕組みになっています。宮古島や佐渡、壱岐などの離島や一部地域が例外として設定されています。
沖縄などへの送料の金額と9,800円で送料になるルールを理解して、商品のプライシングをしましょう。
39ショップにおける北海道の送料の問題点
楽天市場で39ショップになったときに問題になるのが北海道への配送です。39ショップでは沖縄や離島については例外として送料無料ラインを引き上げています。しかし、北海道では奥尻郡奥尻町や苫前郡羽幌町、利尻郡利尻町や利尻郡利尻富士町を除く大半の地域が3,980円以上の購入で送料無料になる対象地域になっています。実際には北海道に商品を送付するには本州・四国・九州に比べると高い場合がほとんどです。
楽天市場で39ショップが導入される以前から送料無料ラインを設定していた一部のショップでは北海道には他の地域とは別の送料無料ラインを設けるのが許されている場合があります。しかし、今から新たに39ショップになると北海道も送料無料ラインが3,980円以上で対応しなければならないのが原則です。
【楽天】39ショップの北海道配送問題の対応策
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前述した通り、楽天市場の39ショップになると北海道への配送の送料が問題です。ここでは北海道問題を抱えながら楽天市場の39ショップとして利益を得る方策をご紹介します。
商品のプライシングを工夫する
商品の価格を調整して、北海道に送料無料で送ったとしても利益を得られるようにするのも効果的な方策です。送料が1,500円かかったとしても、商品価格に1,500円を上乗せしておけば黒字になります。北海道からの注文が少ないと考えられるなら、赤字にならないギリギリのプライシングをするのも良い方法です。赤字にならなければ良いというスタンスで商品価格を設定すれば、北海道問題を克服できます。
そのまま対応する
北海道から注文があったときにもそのまま対応する方法もあります。赤字覚悟で送料無料の対応をすればユーザーからの評価も高くなるでしょう。ただ、北海道で人気になってしまうとコストがかさんでしまって赤字経営になるリスクがあります。北海道では売れない商品の場合には効果的ですが、多く売れる可能性がある場合にはプライシングを工夫した方が良いでしょう。
北海道を販売対象外にする
楽天市場の39ショップになったときに北海道は販売対象外にすることもできないわけではありません。商品ページやショップページに商品発送の対応外エリアを記載することは可能です。北海道への配送の注文があった場合にはキャンセルをすることになります。ユーザーにはっきりとわかる形で北海道を販売対象外にすると明記していればトラブルにはならないでしょう。ただし、ユーザーレビューが低くなったり、クレームや問い合わせが増えたりする原因になるので注意が必要です。
まとめ
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ECの送料は売上利益を最大化できるように設定するのが大切です。送料無料商品はユーザーにとって魅力があるのは確かですが、EC経営側にとっては利益を減らす原因になります。送料が商品価格に上乗せされているとユーザーに考えられてしまう場合もあるので注意が必要です。楽天市場で39ショップになる場合にもプライシングを工夫して確実に利益を出せるようにするのが大切です。送料と商品価格は表裏一体なので、利益を生み出せるバランスを考えて決めるのがEC成功のコツです。
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