ECサイトの売上分析の方法とは|課題発見・解決

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ECサイトの売上を考えるのであれば、売上分析は必須です。

今回は、売上分析の方法について、データ項目からご紹介します。

それぞれの項目に課題がありますので、どのような改善を行ったらよいのかを知り、常にECサイトの改善を図りましょう。

 

ECサイトの売上分析が必要な理由

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ECサイトの売上が思うように伸びないと悩んでいませんか?

ECサイトは、ただ開設しただけでは売上はなかなか発生しません。

また、開設して日数が経過したとしても、売上が勝手に伸びていくことはないでしょう。

 

売上を伸ばすためには、「どの商品が売れたか、売れなかったか」を分析する必要があります。

分析するためには、アクセス数やクリック率、購買率、などのデータを把握し、そこから課題を発見、解決することで売上を上げていくことができるでしょう。

今回はECサイトの売上分析についてご紹介します。

 

ECサイトの売上分析するにあたりチェックするデータ項目【KPI】

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ECサイトの売上分析をするために知っておきたいデータ項目について解説します。

 

・利益率
・売上高
・アクセス数
・CVR(CV率)
・個客単価
・LTV
・滞在時間
・ユーザー分析
・カゴ落ち率

 

利益率

利益率は、ECサイトを運営する上で、重要なデータと言えるでしょう。

以下の計算式から算出できます。

 

利益=売上-費用
利益率=利益÷売上

 

売上高

1日、1週間、1ヶ月、四半期、1年などの単位でモニタリングをしながら売上高の推移をチェックしましょう。

売上が上がっていても、経費がかさめば利益は減ってしまいます。

コスト面にも注目しながらデータを見るようにしましょう。

そのために、以下にように売上を分解して考えるのもおすすめです。

 

売上高=来訪者数×CV率(※)×客単価
※CV率:コンバージョン(商品の購入や申込み)を達成した割合

 

アクセス数

ページが表示された回数「PV(ページビュー)」や、同じ人が何度訪れた場合でも一人と計算する「ユニークユーザー数」のことを指します。

平均値は以下の計算式で求めることができます。

 

平均PV数=PV数÷来訪者数

 

アクセスが少なければ、当然商品への認知度も低く売上に繋がりにくくなります。

SEO対策やインターネット広告、コンテンツを充実させるなどの施策を打ち、アクセス数を上げるようにしましょう。

 

CVR(CV率)

CVRはコンバージョンレートの略で、ECサイトへのアクセス数のうち、商品購入や会員登録などのコンバージョンに至った割合を指します。

アクセスがどれだけ多くても、コンバージョンに至らなければ結果になりません。以下の計算式で算出しましょう。

 

CVR=(購入者数÷来訪者数)×100

 

アクセス数が多いのに、購入者が少ない場合には、アクセスを上げる施策を打つよりも、購入者を増やすための施策を検討するとよいでしょう。

 

個客単価

商品を購入する際に、1回あたりどのくらいの金額を支払ったかを確認する数値です。

以下の計算式から算出できます。

 

顧客単価=売上高÷売上件数

 

利益率が良くない、売上高が低い場合には、顧客単価を上げるための改善方法を検討するとよいでしょう。

 

LTV

LTVとは「Life Time Value」の略で、顧客が生涯を通して企業にもたらす利益を指します。

 

・LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間

 

何度も商品を購入しているリピーターが多いとLTVが高くなるとされています。

また、リピーターは購買単価も高くなる傾向があり、さらに他の新規顧客を呼び込むことも多いとされていることから、ECサイトの売上を安定的に支えてくれる存在とも言えるでしょう。

 

滞在時間

ページ内の平均滞在時間が短い場合は、ユーザーの求めている内容と商品説明などが合っていない可能性があります。

サイトを見て、求める内容と異なれば、それ以上調べても意味がないと判断し、離脱する行動を起こすことが多いでしょう。

 

このような場合には、ユーザーに合った画像やコンテンツに差し替えたり、追加することが必要となります。

対象となるユーザーと実際に訪問しているユーザー属性にズレがないかを確認するのも有効です。

また、商品紹介ページでの滞在時間が短い場合には、商品説明のコンテンツが不十分であったり、購入方法が分かりにくい可能性もありますので、改善を図りましょう。

 

ユーザー分析

ユーザーが、新規か再訪か、どのサイトから飛んできたのか、パソコンかスマホで見ているかなど、分類して分析することをユーザー分析と言います。

ECサイトの改善をするためには、ユーザーのデータを収集して分析することが重要になります。

 

カゴ落ち率

カゴ落ち率とは、ECサイトを訪れ買い物カゴに商品を入れたものの、最終的に購入には至らない状態を指します。

商品ページへのアクセス数が多いにも関わらずCVRが低い場合には、カゴ落ち率が高い可能性が考えられます。

買い物カゴページのアクセス状態を確認しましょう。

 

対策方法としては、購入時に必要なフォームの入力項目の改善が挙げられます。

入力しなければならない項目が多すぎると「こんなに入力しなければならないのであれば、ここで購入しなくていいか」と感じさせてしまう恐れがあります。

また、エラーチェックは即時表示がされているか、入力フォームは見やすく作られているかも確認しましょう。

 

ECサイトの売上解析の例をご紹介

売上を分析するためのデータ項目についてご紹介しましたが、これらの項目を単独ではなく合わせて解析する必要もあります。

アクセス数とCVRのバランスによって、サイトの問題点や課題が見えてくるため、きちんと確認し分析をしていきましょう。

 

例1:アクセス数が少ないけどCVRが高い場合

コンバージョン数が200で月間アクセス数1万の場合にはCVRは2%となります。

この場合には、一般的にはアクセスした人数は少ない割にCVRは高いと解釈できます。

つまり、このケースの課題はアクセス数のアップです。アクセス数が上がると、売上はさらに向上できると推察できます。

SEO対策の強化や広告などによって、多くの人の目にとまるよう目指していくことが効果的な対処法となります。

 

例2:アクセス数、CVRともに高い場合

コンバージョン数500で、月間アクセス数が2万とした場合、CVRは2.5%になります。

例1に比べると、アクセス数・CVRともに高い数値を示しています。

この結果では、しっかりとサイトへの流入がなされており、内容も購入につながるような効果的なものとなっていることがわかります。

さらなるCVRの改善のためには、新たな媒体で広告を出すなどの取り組みが効果的と考えられます。

 

例3:アクセス数が多いけどCVRが低い場合

コンバージョン数200で月間アクセス数4万の場合には、CVRは0.5%となります。

アクセス数が4万あるにもかかわらず、コンバージョンには200に留まっていることから、アクセスした人が「この商品が欲しい」「ここで買おう」など行動に起こすことが少ないと考えられます。

 

アクセスした人が予想していたような商品が置いていない、ターゲット層がズレている、商品紹介ページが魅力的ではない、などの問題が考えられます。

検索キーワードがECサイトの商品と合致しているか、ターゲット層の洗い出しなどを行いましょう。

もちろん、商品を分かりやすく魅力的に紹介するページの作成も必要です。

 

このようにコンバージョンから見れば、200ある例2の方が優れているととれますが、CVRで見ると例1の方が高くなります。

これらは単純には比較できないものの、コンバージョンに至ることを最終目的とするECサイトでは、CVRをいかに高めるかは重要な課題となります。

また、課題もそれぞれ異なることを理解しておくとよいでしょう。

 

例4:アクセス数、CVRともに低い場合

アクセス数、CVRがともに低い場合は、まずはサイト内の改善を行い、訪れた人が魅力的だと思えるようなページを作ります。

そして、SEO対策や広告などによって露出を増やし、注目度を高めながら、CVRの変化を見ていきましょう。

新たな課題が見えてきたら、例1~3でご紹介した方法に沿って対策していくことをおすすめします。

 

CVRの目安は扱う商材やサイトの目的・種類によっても変わるため、今回ご紹介した数値が必ずしも正しい基準とは言えません。

しかし、ECサイトの運営において、CVRをいかに高めるかは重要な課題です。

アクセス数とCVRの数値を見て、現状の課題は何なのかを適切に把握することで、より効果的な対策につながります。

 

ECサイトの売上分析にはツールを利用しよう

ECサイトの売上分析は、便利なツールを活用しましょう。

ツールを上手に活用することで、作業が非常に効率化しさまざまな方向から現状や課題を知ることができます。

 

Google Analytics(グーグルアナリティクス)の活用

非常に知名度が高く多くの人に利用されているツールです。

Googleが提供している無料解析ツールで、アクセス数に関するさまざまなデータを集めることができます。

例えば、ECサイトを閲覧しにきたユーザーの数、そのユーザーの流入元、使用デバイス、離脱されやすいページなどのデータを取得することができます。

 

ヒートマップの活用

ヒートマップは、ECサイトを訪れたユーザーの行動を、色によって可視化できるツールです。

数字のデータだけでは分からない、サイト上の課題を直感的に見つけることができることから、グーグルアナリティクスと併用して活用したいツールでもあります。

 

ヒートマップの機能はツールによって多少の違いはあるものの、主に「熟読エリア」「終了エリア」「クリックエリア」の3つが分かります。

サイト内でよく読まれている箇所や、どこまで読まれたか、ユーザーがどこをクリックしているのかという3点が色によって表されるため、ユーザーの関心度をはかる上でも役立ちます。

 

ヒートマップでは、ユーザーの関心度が色で分かるため、例えば1番ユーザーに読んで欲しいコンテンツの場所が適切かどうか、最後まで閲覧してもらえているかどうか、ユーザーの遷移を促すボタンがクリックされているかなどが見えてきます。

この結果に基づき、ECサイトの内容をより効果的に作り上げることができます。

 

行動分析に使えるツール

Amplitude(アンプリチュード)などの行動分析ツールは、アクセス解析ツールだけでは分からないECサイト内でのユーザーの行動を細かく分析するためのツールです。

このツールを使うと、アプリからECサイトに遷移したユーザーの行動も分かるようになります。

 

具体的に言うと、アプリで配布したクーポンを使ってECサイトに訪れ購入に結び付いたユーザーの数なども見えてきます。

その他には、ECサイトのリピート利用数や、時系列に基づいたユーザーの定着率なども分かります。

 

ECサイト改善までの流れ

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グーグルアナリティクスなどのツールを使えば、ECサイトの分析に必要なデータをチェックすることができます。

しかし、そこで終わってしまえば、改善には進めません。

例えば、スマホからで見ている割合が多いのであれば、スマホ対応のページを強化する、ユーザーの行動把握から離脱率の高いページを割り出し、対策をするなど、問題点を洗い出し、改善していきましょう。

 

常にこれを繰り返していくことでECサイトの売上を伸ばすことができるでしょう。

 

 

ECサイト改善は一般的に「①データのチェック」「②分析」「③課題発見」「④実行」の流れで行います。

 

①データのチェック

まずは、ECサイト全体からとれるデータのチェックを行います。

このデータをもとに現状の把握を行い、課題が明確になった後の取り組みによってどう変わるのかを見比べられるよう、整理をしておきます。

 

②分析

データをもとに、その原因を分析していきます。

目標に達していない数値は何が原因なのか、また目標を達成している場合は何が良かったのかを理論的に分析します。

目的によって、何を重点的に見るのかはそれぞれ異なるため、やみくもに進めるのではなく、目標を確認した上で実施することが大事です。

 

③課題発見

分析によって問題の原因が分かったら、何をどう改善すべきなのか課題を明確にします。

目標と現状を見比べて、目標達成のための改善プログラムの仮説を立てていきましょう。

例えば、集客の目標に達していないのであればSEO対策や広告の強化などがあげられます。

 

④実行

先ほどの過程で導かれた改善プログラムを、優先順位の高いものから実施していきます。

期間を定め、その効果を検証しなければ、改善できたかどうかは分かりません。

そのために、またデータのチェックを行い、必要に応じてこの行程を繰り返していきます。

 

まとめ

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ECサイトの売上分析についてご紹介しました。

データ項目はたくさんありますが、分析をするためには単独ではなく、複合的に見る必要があります。

データを見ながら、何が問題なのかどこを改善すればよいのかを分析していきましょう。

ユーザーの動きはそれぞれ異なります。

常にデータ分析を行い、問題の洗い出し、改善を続けていくことで、売上を伸ばしていくことができるでしょう。

 

宮本 育夢
ライター 河野 拓馬 営業 / ウェブマーケター
六次元の福岡オフィスメンバーとして2022年入社。動画コンテンツを駆使する新世代のマーケター。
ウェブサイト制作をはじめとしたディレクションやマーケティングも行う。動画クリエイター兼営業マンで、六次元では異端。
趣味はテニスとサウナ。パントマイムが得意。好きな食べ物はきな粉。飼っているドジョウの名前はチョロ蔵。

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